映画レビュー「人のセックスを笑うな」



【ひとこと】
 リアルでナチュラルな恋愛映画

【あらすじ】
 美大に通うみるめ(松山ケンイチ)は、ある日一人の風変わりな女性と出会う。終電を逃してしまった、と人里離れたトンネルの中を歩いていた彼女は、パンプスを手に持ち、靴下履きだった。友達と一緒にトラックに乗っていたみるめが、見かねてサンダルを貸し、そのときは連絡先を聞くでもなく別れる。後日、大学で偶然再会した二人。女性の名はユリ(永作博美)、リトグラフの臨時講師、38歳。みるめはユリのまとう風変わりな空気に惹かれ、次第に近づいていく。モデルをやらないかと誘われて、ユリのアトリエまで出向いたみるめは、「じゃあ脱いで」とあたりまえのように脱がされてしまい・・・

【感想など】
 うーん、びみょーw これは好き嫌いがはっきり分かれる映画ですよ。最近密かにマイ・ブームの二人、松山ケンイチ&永作博美が主演だから観たんですけど。

 お話の設定はリアルだと思います。主役二人のやりとりや、みるめが好きなんだけどはっきり言えないで見守り姿勢におちいってるえんちゃん(蒼井優)の葛藤など、素直に微笑ましいと思える部分もかなりあります。つきあいはじめの頃の初々しい感じとか、ユリが人妻とわかって悩んでやせがまんしているみるめの辛さとか、けっこうキテました。でもでも・・・

 第一に、脚本のテンポが悪すぎるんですよ。なんというか・・・無駄な部分が無駄に多いんですね。場面転換が壊滅的に下手。ナチュラルを強調する手法といえばまあ、納得できなくもないかなぁ?それにしたってリズム感がなさすぎるような。長回しを多用しすぎてるんですよね。編集でなんとかできるはずの部分もあえて(?)そのまんまだし。141分が長すぎると感じました。100分でいい、100分で。

 第二に不親切な映像になっちゃってますね。たとえば、サンダルのエピソード。みるめがユリにサンダルを貸してあげてるのが後に生きるはずなのに、肝心のところで台詞はハッキリ聞き取れないし、引いたままの画で終わらせてるので、観客にはそこでサンダルのやりとりがあったことがわからないんです。こういうイラっとさせられる箇所がけっこうあって、私はそのへんが不満でしたね。

 あとね、音声のミスなのか、シーンによっては台詞がほとんど聞き取れず、雑音ばかりが聞こえたりもします。こういうのはストレスですよ。お話に入り込めないので困りますね。

 永作博美演じるユリは、やっぱりズルイと思いました。だってまったく色っぽくない服とおばさんくさい下着で登場してるのに、さらーっとみるめをものにして、簡単に脱がして、のほほーんと遊んで、「いろいろ考えて」などと本人言ってますが、結局みるめの前から消えちゃうわけですから。えんちゃんに責められてましたけど、本人「だって触ってみたかったんだもん。」とか言うんですよ、困りますね、こういう女。永作が演じてるから余計に、そっけない外見なのに男心をくすぐっちゃう、同性から見るととっても「ズルイ」女ですw

 松山ケンイチは20歳も年上の人妻にイカレてしまう純情な美大生を好演していました。アップがほとんどない映画なものですから、せっかくの泣きの演技も目立たなくって、ちょっと可哀相なんですけど。美大のデッサン用の石膏像とかいっぱい置いてある部屋に、通りかかったユリをいきなりひきずりこんで、押し倒してキスしちゃうシーンあたりは、切羽詰って思いつめてるのがよくわかりましたね。

 特筆すべきは蒼井優ちゃん、良かったですね。このコは何をやらせても独特の透明感を発揮します。非常に自然で、けれども印象が強い、稀有な女優ですよ。若手の中でもかなり将来期待できますね。「花とアリス」も好きですが、この映画のえんちゃんは「はまり役」です。他の女優さんはちょっと考えられないくらい。

 全体として見ると、キャステイングはいいのですが、映画としての完成度は高くない、と私は感じました。すっごく暇で、あまり変化の無い画面をだらだら~っと見るのが好きな人にはいいかも。それにしても恋愛ってままならないもんですね。

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