映画レビュー「ブロークン・フラワーズ」


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 以前劇場で観た映画のレビューです。これは、40~50代の男性がご覧になると、いろいろ考えさせられるかもしれません。

「ブロークン・フラワーズ BROKEN FLOWERS」2006年6月21日

【ひとこと】
 老いたドン・ファン、旅に出て・・・

【物語のあらすじ】
 昔は超プレイボーイ、いまや老いてかたなし、それがドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)。同居していたシェリー(ジュリー・デルピー)には愛想をつかされ、出ていかれてしまう。ちょうどそこへ届いたピンクの手紙。「あなたの息子が19歳になっているわ。」差出人は不明。親友であり、隣人でもあるウィンストンにお膳立てされて、真相を知るために昔の恋人たちに会う旅に出るドン。20年の歳月を経て、図らずも自分の過去と向き合わされる羽目になった中年男は・・・・

【感想など】
 ジム・ジャームッシュの監督作品を観たのはこれが初めてです。初、がこれかーと、劇場を出て苦笑いしました。人によっては退屈で仕方なかったり、とても不愉快にさせられたり、するんじゃないですかねぇ・・・・?コメディらしいんですけど、私は笑えなかったなぁ。ただ、とても身につまされることはありました。「過去はもう済んだことだし、未来はこれから変えられる。大事なのは現在なんだ。」ってところ。ドンの旅は結局無駄足だったようにも見えます。でも・・・見ようによっては非常に残酷ですよ、この話。

 ドンは金に困ってるわけじゃないのに、ちっとも幸せそうじゃありません。しょぼくれてました。正直言うと、「魅力的」には見えませんでした。昔はモテモテだったはずなのに。何が彼をああいう風にさせてしまったんでしょう?昔関わった女たちの誰かが本当に身ごもっていて、息子がいたら、彼はもっと変わっていたのでしょうか?この映画では、真相はわからずじまいで、ドンは一人でぽつんと取り残されます。もうどこへ行って何をすればいいのかもわからなくなってしまった、ただのおっさん、でした。

 ドンだって、若い頃は何かしらやりたいことがあって、やるべきこともあって、毎日が嬉しかったり苦しかったりしたはずなんですよ。欲望がわきだすこと、そのものが生きるエネルギーを生み出すことになっていたと思います。なのに、その日を楽しく暮らすだけの生活が彼にもたらしたのは、孤独と、生き甲斐の無い人生。それだけだなんて悲しいですよ。それこそ枯れ果てて駄目になってしまった花束みたいに。なんで俺はここにいるんだろう?と、自問自答させられる、それってけっこうキツイんじゃないですかね?

 もしも彼が何かしら遠大な理想を抱いて、それに向かって頑張り続けてる真っ最中で、人生に対する確固たる構えもあり、ちゃんとした家族もいて、という人生を歩んでいたら、この映画のようにはならなかったでしょうか?でも、それって、若い頃には予見できないことですよね。ドンが年老いてから「しまった!」と思っても、もうどうしようもないことで。そのあたりはとっても意地悪だなぁと感じましたよ。なんだか自分の将来もこんなだったら嫌だなぁって。

 ドンの昔の恋人達はそれぞれにちょっと変わっていて、とっても綺麗で、魅力的で、こんな女性たちに愛されていたのに、みすみす別れてしまったドンはほんとお馬鹿さんだと思わせられました。画面の中でピンクが出てくるたびに気をとられてしまうドンの心中、20歳前後の若い男性がみんな自分の息子のように見えてしまう気持ち、そういうとこ、描き方がうまいなぁーと思いました。良い映画かとたずねられたら、良い映画ですよ、と言います。でも、自分がこれを好きかどうか、という観点で言えば、好きじゃないですね。なんか、痛かったですよ・・・・。観てて辛いものがありました。

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