映画レビュー「柔らかい肌」


2005年10月25日

【ひとこと】
 ただ、あの柔らかい肌に触れていたかった・・・。

【物語のあらすじ】
 文芸雑誌の編集長であり評論家でもあるピエールは、テレビにも出るくらいのちょっとした名士。リスボンへ講演のために赴くが、往きの飛行機の中で知りあったスチュワーデスのニコルと、いつしか不倫関係に・・・。息苦しいパリを離れて二人っきり、のんびりしたいと考えたピエール、妻フランカに嘘をついて、ランスの講演旅行にニコルを同行させる。ところが仕事の予定が大いに狂い、ニコルは不機嫌に。おまけに妻が嘘に勘付いて、「離婚よ!」となってしまう。売り言葉に買い言葉、離婚をすると決めたはいいが、ピエールの考えてもいなかった事態が起きて・・・

【感想など】
 フランソワ・トリュフォー監督が1964年に撮った映画です。古いです。話も、キャラクターも、舞台も、小道具も。けれども、今に通じる真理があります。展開はスローだし、主人公はヒトラーのちょびヒゲなしヴァージョンみたいなおっさんだし、観ていてあんまり楽しい映画でもありません。でも、ぐっと心をつかむ何かが根底にありました。

 おそらく、結婚して十年以上経つ人ならば、この主人公の気持ちはかなり実感としてわかるのでは?子供は可愛いし、妻は美人だし、立派な家と順調な仕事、なんの不足が?と言われるに違いなく。けれども、ピエールは、ニコルに近づかないではいられなかったんです。彼女の美しい脚に魅せられて、彼女の可愛い顔に良識を放り出し、彼女の柔らかい肌に触れていたいがために、家族を捨ててしまいます。中年男の悲しい性と笑いたければお笑いなさい。彼の気持ちがわかる、俺もそうだ、そうおっしゃる夫族は少なくないと思いますよ。

 人間は満ち足りた状態に置かれた時、哀しい事に「飽きてしまう」んです。どれほど恵まれているか、どんなに人から羨ましがられているか、充分にわかっていても。そして、「破滅」に手を出してしまうんです。その先には何もいいことがないとわかっている。それでも、それでも手を出してしまいます。人間ってほんとに愚かですよね。

 ピエールを私は笑えません。蔑むこともできません。彼の逡巡も焦りも後悔もみんな、「ああ、そうだよな」と共感できます。かばうつもりはないんですよ。実際、彼の言動は決して褒められたものではないので。どんなに妻が勝気で傲慢で気位が高くて嫌な女でも、してはならないことってのがありますからね。

 しかし、因果応報というべきなのでしょうね、最後は。あのフランカの満足げな表情がなんとも寒かったなぁ・・・・。フランス女性ってみんなああいう風なんでしょうか?まさかね。

 既婚男性の皆さん、妻はないがしろにしちゃいけませんよ。浮気は、どうしてもしたければ、死んでもばれないようにしましょうね。嘘をつくなら死ぬ気でつきましょうね。秘密は墓場まで持っていくんですよ。ここまで読んで、「うんうん、そうだよな。」と思ったあなたに、この映画はオススメです。

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