谷川俊太郎 「生きる」 によせて

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 私の大好きな谷川俊太郎の詩のひとつに「生きる」があります。なにげなくつづられた言葉のように見えて、実はとても深く、読むたびに新鮮な感動を与えてくれる詩です。かんたんな言葉ほど、意外に使いこなせないもの。わかりきったことほど、言葉では言いづらいもの。谷川俊太郎の詩は、いつも私に、それらの重要なことがらを思い起こさせてくれます。

 いろいろなことがありましたが、今年ほど「いのち」や「生きる」ということを頻繁に、また深く、考えさせられた年はありませんでした。忘れがちな大事なこと、それは「生きる」ということではないかと、いまさらですが、私は思っています。すべての「いのち」をいとおしむことは、どこかへ忘れ去られてしまって、みんな暗く荒んだ瞳のまま、虚構を追いかけさせられているのでは?

 本当に大事なことは、目には見えない。本当に大事なことは、とてもシンプル。今年も、もう終わろうかという頃になって、つくづく考えるのです。「生きる」ことをあきらめないでいたい、と。一分一秒、私たちは「生きている」んですよね。瞬間の積み重ねが「生きる」ということなんです。

 今年めぐりあえた「いのち」、そのひとつひとつがとてもいとおしく思えます。心からの感謝をこめて、この詩と写真を捧げます。ありがとう。出会えたご縁を大事にします。ありがとう。



「生きる」

          谷川俊太郎


生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと惑るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ


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