守る樹



 取材旅行で宮島へ行って、なんだか変だなと感じたことのひとつに「鹿が少ない」という事象がありました。以前宮島へ行ったときに比べると、明らかに数が少なくなっています。そして、人懐こく近寄ってくる鹿よりも、警戒して逃げるものの方が多い気がしました。

 ロープウェーで獅子岩展望台に登って、猿がよそへやられてしまったことを知りました。鹿も、餌を与えない方針に転換しているそうです。鹿といい、猿といい、宮島名物的な動物が減ってしまった、そこには一抹の寂しさが・・・・。

 防護柵を押し倒して、藤の新芽を貪り食らう鹿の親子。フェリー乗り場の近くでは、雄鹿に手土産の入った袋を奪われそうになっている人も見かけました。飢えている鹿はゴミ箱を漁り、観光客の手土産にも目を光らせていました。

 数が増えすぎたから。人間の暮らしに被害が出ているから。そこに居住する人がいる以上、猿や鹿を減らす試みがなされる、そのことに異を唱えるわけにはいきません。通りすがりの観光客よりも、その土地に暮らす人の事情が優先されるのは当然です。ただ、私は、寂しくなってしまったなぁと、そう感じただけ。

 ひなたぼっこを楽しむ鹿は、人ではなく樹によって、そぅっと守られているようでした。

Canon EOS 40D + Canon EF24-105mm F4L IS USM

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