saudade


 子供の頃から、しっかり者であることが、私の存在価値だった。本当は、泣き虫の弱虫なのに、強くて賢い人でいなければならなかった。一人で何でもできる。どこへでも行ける。誰とでも話せる。内心は不安でも、ものすごく恐ろしくても、顔には一切出さず。

 人前で泣くなんて、恥ずかしいこと。やってはならないこと。だから、泣くときはいつも一人だった。心許せる人に、泣いてもいいよと抱きしめてもらえたときの嬉しさは、言葉では言い表せない。私にも、泣ける場所ができた、弱いところを見せてもかまわない人が・・・。ずっとほしかった場所をようやく得られた、それは何にも代えがたい喜びだった。

 もしも、願いがひとつだけ叶うのなら、あの瞬間に戻りたい。




Canon EOS 40D + TAMRON B003 or  TAMRON A09

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